専門職後見人としての行政書士の期待と役割
権利義務・事実証明に関する書類作成の専門家としての役割
地域偏在の少ない行政書士、地域密着度の高い行政書士が、その周辺業務である
遺産分割協議書の作成や遺言書に係わる支援業務なども含め、権利義務・事実証明に
関する書類作成の専門家として、成年後見制度に積極的に取り組むこと。
行政書士の社会貢献の実践
街の法律家を自負する行政書士が、認知症高齢者や知的障害者、精神障害者等の
社会的弱者の権利を擁護する成年後見制度に積極的に関わり、地域の保健福祉行政に
参画し、社会貢献を実践していくこと。
専門職後見人の偏在と不足
急速な少子高齢化を迎えている我が国において、認知症高齢者や知的障害者、
精神障害者等の社会的弱者の権利を擁護する成年後見制度の普及は喫緊の課題であるが、
専門職後見人の絶対数は不足しており、行政書士会が人材を育成し供給していく事が
期待されていること。
<成年後見制度とは>
後見人(法的お助け人)を選任することにより判断能力が不十分な人(成年被後見人)を
保護し、支援するための制度のことをいいます。
たとえば、介護サービス事業者との契約や不動産、預貯金等の財産管理などを、
本人(成年被後見人)の判断能力が欠けた状態で処理することは困難で、不利益を
被ってしまうことをこの制度を利用することにより出来る限り防ぐことができます。
後見人になるためには何か特別な資格が必要であるということはありません。
親族が選任されるケースや、最近は弁護士や司法書士、行政書士という職業後見人と
呼ばれる第三者が選任されることが増えてまいりました。また複数の後見人が
選任されることもあります。
成年後見制度は、法定後見制度と任意後見制度の2つの制度に分けられています。
<法定後見制度>
法定後見制度においては、本人の判断能力が不十分になった場合に、一定の者からの
申し立て手続きの後、家庭裁判所の審判により後見人が決定され開始します。
判断能力が欠けた状態では財産管理等で大きな損害を被ってしまう可能性がありますので、
制度の利用をするためのご相談をお勧めいたします。
成年後見制度には、本人の判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助の
三種類があります。どの類型に該当するかは医師の診断に基づいて判断されます。
<任意後見制度>
任意後見制度とは、本人(まだ判断能力が十分にある方)があらかじめ将来の後見人の
候補者を選任しておく契約によってなされるものです。
契約を結んだ後に、判断能力が低下することがなければ、その効力が発生することは
ありませんし、そのほうが(認知症を発生しない)良いに越したことはありません。
ですが、判断能力が低下しないという保証はどこにもございません、リスクを考えると
早いうちから手を打っておくことがのちの安心にも繋がりますので、
これは一種の予防法務だと思います。
任意後見制度を利用することにより、現在はもとより将来をより快適で安心できる生活を
することができる制度だと思います。
成年後見制度についての手続きや、制度がややこしくて分からない等の
お困りことがございましたら、私田川までお気軽にご相談ください。