民法(遺言・相続)が変わります ⑤

いつもありがとうございます。田川です。
インフルエンザや感染症胃腸炎などが流行している時期となりました。
予防の基本!手洗いうがいを心がけます。

さて、今回は民法が変わりますの5回目、
長期間婚姻している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等について書きます。

現在の法律では、被相続人(ご主人)から配偶者(奥様)に、居住用不動産(土地や建物)の
贈与や遺贈(遺言による贈与)を行ったとしても、被相続人(ご主人)がそれを遺産に
持戻しの免除(プラスしなくてもよい旨)の意思表示をしていない限り、
原則として、特別受益(遺産の先渡し)を受けたものとして取り扱い、その贈与等をした額を遺産に
持戻し(プラス)してから相続分を決定するため、
配偶者(奥様)が最終的に取得する財産額は、贈与があった場合とそうでなかった場合と同じになります。
ですので、被相続人(ご主人)が配偶者(奥様)の事を思って
贈与等を行ったことが、遺産分割時に反映されていない事になっていました。

これが今回の改正により、婚姻期間が20年以上である配偶者の一方が他方に対し、
その居住の用に供する建物又はその敷地を贈与や遺贈した場合については、
持戻しの免除(遺産にプラスしなくてもよい旨)の意思表示があったものと推定されます。
これは長年苦楽を共にしてきたご夫婦が、これまでの貢献に報いることや、老後の生活の保障を
厚くする意味で行われるものとして考えられることによります。

よって、被相続人(ご主人)が行った配偶者(奥様)への贈与等の思いに沿った
遺産分割をすることができるようになりました。
個人的に、超高齢化社会が進む日本にとっては良い制度ではないかとおもいます。

先日、法務省より施行日の期日が発表されました。
2019年1月13日施行
・自筆証書遺言に関する見直し

2019年7月1日施行
・長期間婚姻している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等
・相続された預貯金債権の仮払い制度
・相続開始後の共同相続人による財産処分
・相続の効力等の見直し
・遺留分制度の見直し
・相続人以外の者の貢献を考慮するための方策の新設

2020年4月1日施行
・配偶者居住権の新設
・配偶者短期居住権の新設

2020年7月10日施行
・法務局における遺言書の保管等に関する法律

とありました。
よって、自筆証書遺言の方法緩和については、すでに施行されましたね。

今日は1月17日。今から24年前の早朝、大きな揺れが発生しました。
私は、当時宝塚市に居住しており、何が起こったのか把握するのに時間がかかったことを
覚えております。
この国に居る以上、災害とはいつも隣り合わせであるとおもいます。
防災、いや減災に関して行政書士として出来ることを考えていきたいと
強く思います。

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