いつもありがとうございます。田川です。
暦は２月ですが、すぐそこまで春の気配が感じられます。
ことしは桜の開花もだいぶ早くなりそうですね。
さて今回は『特別の寄与制度』の創設について書かせていただきます。
改正民法第１０５０条
被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について
特別の寄与をした被相続人の親族（相続人、相続の放棄をした者及び第８９１条の規定に該当し又は排除によって
その相続権を失った者は除く。以下この条において「特別寄与者」という。）は、相続の開始後、相続人に対し、
特別寄与者の寄与に応じた額の金銭（以下この条において「特別寄与料」という。）の支払を請求することができる。
とあります。
まとめてみますと、相続人以外の親族が、被相続人に対して、無償で療養看護等をし、特別の寄与をしたときには、
相続開始後、相続人に対し、寄与に応じた額の金銭の支払いを請求できる制度が新設されました。
（例）被相続人（父）の相続人が、長男と次男のみであった場合、
長男の配偶者（奥さん）が、１０年前に脳梗塞で倒れた義父（長男の父）の介護を、
長年にわたり行っていた場合、長男の配偶者（奥さん）は、なくなられた義父の相続人ではありませんが、
特別の寄与があったとして、寄与分を相続人に請求できるようになります。
仮に、長男が父よりも先に亡くなっていたとしても、相続人（この場合は次男）に対して寄与分を
請求することが出来ます。
現状は、被相続人の長男の奥さんという立場は、相続人ではなかったため、
いくら長男の奥さんが介護をしていたとしても、長男の奥さんには相続権自体がなく、
寄与分が認められることは、ほぼありませんでした。
特別寄与者の範囲は、被相続人の親族になります。
親族の範囲（民法第７２５条）は、
➀六親等内の血族 ➁配偶者 ➂三親等内の姻族 です。
なので、被相続人の長男の奥さんは、一親等の姻族なので、親族に該当します。
ヘルパーさんや近所の方などは親族ではないので、介護等をしてくれていたとしても、
特別の寄与にはなりません。
注意が必要なのは、特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から
遺贈の価額を控除した残額を超えることができないとされているため、
被相続人が遺言で相続財産の分配方法をすべて指定していた場合には、特別寄与料を請求することができません。
なお、特別寄与料について、各相続人との間で協議が調わないとき又は協議をすることができないときは、
特別寄与者は、家庭裁判所に対し協議に代わる処分を請求することができます（民法第１０５０条第２項）。
ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から６箇月を経過したとき、
又は相続開始の時から１年を経過したときは、請求権を失います。
いままで義理のお父さんの介護を渾身的にしてきた、お嫁さんの苦労が報われることになりますね。
今日、２月２２日は「猫の日」ですね、うちにもスコティッシュフォールドがいますが、
ほんとに「寝子」です（笑）いつも寝ています。
もうひとつ忘れてはいけないのが、「行政書士記念日」でもあります。
１９５１（昭和２６）年の２月２２日、「行政書士法」が公布されたので、そうらしいです。
だから、日行連のキャラクターもネコ（ユキマサくん）なんですね～